クッキー信仰

誕生日祝いのケーキを予約した。お店を見渡すと、色とりどりのマカロンに、何十種類ものクッキーや焼き菓子。

一個ずつ、プラスチックの袋に入って大事にされていた。プラスチックが見える目を手に入れてしまっているので、全てが新鮮。

スーパーに行っても、プラスチックワンダーランドの様相。けど時代は変わろうとしている。私の中では変わったのだから。

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クッキーの思い出がたくさんある。昔愛読していた絵本を振り返ったら、クッキーが出てくるものが多くてびっくりした。アメリカでサンタさん用にクッキーを焼いた。翌朝、ほんのちっちゃな食べこぼしのカケラを残して、無くなっていた時のわくわくした気持ち。

クッキーってなんだろう、とふと思う。歴史を調べたら、7世紀頃にペルシアで生まれたらしい。砂糖の歴史とも関係が深い。

主食ではないけど、だいたいどこの国に行ってもあるもの。不思議な食べ物。そして、必ず手で食べる。ケーキと違って。身体的な記憶にも深く刷り込まれている。

乾いたもの。固まったもの。凝縮したもの。何かを凝縮して、アイシングで飾って、保存して、お腹が空いたら取り込む私たち。異次元の香りがする。

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そこに文字が書かれていたら、どうなるかを最近考えている。中国の月餅のように、文字が書かれたお菓子は、文字の持つ霊力を信じて作られたと杉浦康平さんは書いている。