ケーキの描き方

朝、中国語の授業中に、ふと、子どもの頃に描いていた木を思い出して教科書の隅に描いた。

小さい頃って、不思議な流儀みたいなのがある。池は真上からなのに魚は真横からとか。

私は、他は平面的なのにケーキはなぜか斜め上30度から覗き込んだ形。必ず2層のホールのショートケーキで、上の段の縁に、絞り袋で出したクリーム、真ん中の白い部分にはヘタを取ったいちごが円形に並んでいる。誕生日ケーキのときは、いちごに加えて、ろうそくがだいたい円形に並ぶ。ろうそくの炎は内側と外側で色が変わる。内側の方が濃いオレンジで外側が薄いオレンジ。ケーキが載っているお皿は、ただの丸ではなくて、縁がある。ケーキの下に、縁がスカラップのレース紙が敷いてあることもある。

このお皿とケーキ天面の楕円形がいつも集中力を要する。

しかも、周りのものに比べてケーキは極端に大きく描いていた気がする。いつどうしてそんなふうに書くようになったのか、幼稚園や家でそうやって教わった記憶もない。

けど、 母はよくケーキを焼いていた。2歳から8歳まで住んだサンフランシスコの家は、現地ではごく普通の広さだったけど、他の家と同じく大きな作り付けの2段オーブンがあって、普段のおやつにも、誕生日にも、手作りのケーキがあった。

友達やお客さんが遊びに来るときも、ケーキがあった。あとコーヒーの香り。大人たちはテーブルでおしゃべりして、私たちはそこらへんで遊ぶ。10杯作れるコーヒーメーカーはいまだに実家で使っている。

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石鹸シャンプーに合うリンスをやっと見つけた。なんとお酢。びっくりするくらいサラサラになって今までの苦労が嘘みたい。高校のとき、優雅な女性の化学の先生がいた。先生の学生結婚の話と、お酢をリンス代わりに使っていた話を誰かが聞きつけ、授業中にみんなで興味津々に質問してた頃にタイムスリップ。石鹸でアルカリ性に傾いた髪を、酸性のお酢で中和するのだ。